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用語集

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債券貸付運用

投資家が保有する国債などの債券を証券会社等に貸し出し、その対価として賃借料(品貸料)を受け取る取引です。一定期間経過後、同種同量の債券が返還されます。貸し手は貸付先の信用リスク管理や保全方法などに留意する必要があり、借り手から担保金を受け取るのが一般的です。GPIFでは債券貸付運用を適宜行い、収益を得ています。

財政検証

日本の公的年金制度(厚生年金保険及び国民年金)は、現役世代の保険料負担で高齢者世代を支える賦課方式の考え方を基本として運営されています。一方、少⼦高齢化が進むと、将来の現役世代の負担が大きくなりすぎることから、保有する積立金を運用して増やし、後世代の給付の一部に充てていくこととしています。

このようなフレームワークの下、厚生労働省は、少なくとも5年ごとに、人⼝見通しの変化や経済動向を踏まえて財政の現況及び見通し(いわゆる「財政検証」)を作成しています。

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財投債

財投機関債の発行が困難な特殊法人等に融資するために、財政投融資特別会計が国の信用で発行する国債です。財投改革の経過措置として、2007(平成19)年度まで、郵便貯金やGPIFに寄託される年金積立金で、その一部を直接引き受けることとされていました。GPIFによる財投債の運用は、2020(令和2)年度中に終了しました。

Jカーブ

PEファンドへの投資では、一般的には投資開始初期には支払いが先行することから投資損益がマイナス(損失)となり、その後、投資先の企業価値向上によって徐々に未実現益が計上され、投資資産の回収時には高い実現益をもたらす、という経緯を辿ります。ファンドの累計の損益額を年毎にグラフ化した形がアルファベットのJに似ていることから、「Jカーブ」と呼ばれています。

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時価

評価時点において、債券や株式が市場で売買される実勢価額のことです。

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自家運用(インハウス運用)

自らその年金資産を運用することです。

GPIFの運用資産の大部分は外部委託で運用されていますが、運用の効率化や必要な流動性の確保の観点から、運用資産の一部(国内債券、短期資産、株価指数先物等)について、資産管理機関を利用しつつ、自ら管理及び運用を行っています。

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時間加重収益率

時間加重収益率は、時価に基づく運用収益に基づき、運用機関が自ら決めることができない運用元本の流出入の影響を排除して求めた収益率です。海外の年金でも多く使われている方法で、ベンチマーク収益率(市場平均収益率)との比較により、運用能力を評価することが可能となります。

GPIFは経営委員会の決定に基づき、2020年度より、運用資産全体の収益率計算に「時間加重収益率」を採用しました。2020年度開始の第4期中期目標において、新たに、運用資産全体で複合ベンチマーク収益率を確保することとされたことに伴うものです。

GPIFでは、時間加重収益率の市場平均対比での超過収益率を測定し、運用行動の自己評価と、運用受託機関の評価に使用しています。

(計算式)時間加重収益率は、次の式により日次の収益率からn期間の収益率を算出したものです。

① 日次の収益率 = { 当日時価総額 /(前日時価総額 +(当日の資金追加額 - 当日の資金回収額))} - 1
② n期間の収益率 =(1+r)(1+r₂)...(1+r )- 1          r = 日次収益率

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資産管理機関

資産の管理を行う信託銀行などのことです。GPIFは特定運用信託契約に基づき、資産管理業務の一部を資産管理機関に委託しています。資産管理機関は、GPIFの運用受託機関からの運用指図に基づき、株や債券など有価証券の決済、有価証券の保管、残高の管理、配当金・利金の受け入れといった資産管理業務を担っています。

【関連用語】

資産配分要因

超過収益率を要因分解する際に、基本ポートフォリオの資産構成割合と実際の資産構成割合との差による要因のことをいいます。

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市場リスク

GPIFが管理する運用リスクの一つです。金利、為替、株式、オルタナティブ資産等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産の価値が変動するリスクを指します。

【関連用語】

実質的な運用利回り

年金積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものです。厚生労働大臣が定めた中期目標では、長期的に、実質的な運用利回り1.7%を最低限のリスクで確保することが要請されています。(2019 年財政検証で設定された長期の実質的な運用利回りの前提6ケースのうち、最も大きな値である1.7%を長期の運用目標として設定しています。)

【関連用語】

シャープ・レシオ

無リスク金利控除後のポートフォリオの収益率をポートフォリオのリスク(収益率の標準偏差)で割った比率です。この値が大きいほど効率性の高いポートフォリオといえます。

修正総合収益率

運用成果を測定する尺度の一つです。収益及び投下元本に時価の概念を導入して算定した収益率です。算出が比較的容易なことから、運用の効率性を表す時価ベースの資産価値の変化を把握する指標として用いられます。GPIFでは2019年度まで、運用資産全体の収益率に修正総合収益率を用いていました。

 (計算式)修正総合収益率 = { 売買損益 + 利息・配当金収入 + 未収収益増減(当期末未収収益 - 前期末未収収益)+ 評価損益増減(当期末評価損益 - 前期末評価損益)} /(投下元本平均残高)

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受託者責任

資産運用に携わる受託者は、専ら委託者および受益者の利益のために行動する 義務があるという考えのもと、負っている責務を指します。英語では「Fiduciary Duty(フィデューシャリー・デューティー)」と言います。

GPIFの「行動規範」では、「私たちは、年金積立金が将来の年金給付の貴重な財源となることを認識し、専ら被保険者の利益のために、慎重な専門家(プルーデント・エキスパート)としての注意を払い、受託者としての責任を果たす」と定めています。

償却原価法

債券を額面金額よりも低い金額又は高い金額で取得した場合、差額が発生します。償却原価法は、満期保有目的債券において、これらの差額を償還期までに毎期、一定の方法で収益又は費用に加減する評価方法です。GPIFは、すべての資産を売買目的有価証券として時価評価しているため、償却原価法は使用していません(2020年度までは一部資産(財投債)について償却原価法を使用)。

新興国市場(エマージングマーケット)

経済が発展途上にある国や地域の市場のことです。これらの国や地域は経済の急成長や規制緩和等により、高い投資収益が期待される一方、市場等が未成熟な分、リスクも高いという特徴があります。GPIFでは適切なリスク管理のもと、運用資産の一部を新興国市場に振り向けています。

信用リスク

GPIFが管理する運用リスクの一つ。保有資産の発行体、資産管理等の委託先、デリバティブ取引のカウンターパーティの財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクのことを言います。

【関連用語】

スチュワードシップ

スチュワードシップの語源は英語のスチュワード、執事や財産管理人という言葉に由来します。スチュワードシップとは、他人から預かった資産を責任をもって管理・運用することを指し、財産を管理することを任された者の責務を表します。

GPIFのような年金基金や運用会社などの機関投資家が、他者から委託された資産を管理・運用するにあたっての「受託者責任」という言葉と意味合いは近いと言えます。

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スチュワードシップ責任

金融庁が策定した「『責任ある機関投資家 』 の諸原則」(日本版スチュワードシップ・コード)によると、スチュワードシップ責任は、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか、運用戦略に応じたサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて、企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、中長期的な投資リターンの拡大を図る責任のことです。

GPIFは2014年に日本版スチュワードシップ・コードを受け入れ、スチュワードシップ責任を果たすための活動を本格的に開始しました。

【関連用語】

ストレステスト

マーケットに大きな変動が発生した際に生じる収益や資本へのインパクトを計測し、必要に応じて適切な対策を講じるための手段を検討するための手法の一つです。GPIFでは、長期的な運用におけるリスク管理の一環として、必要に応じてストレステストを行っています。

【関連用語】

スマートベータ戦略

TOPIXなどのように時価総額に基づいて銘柄を組み入れているインデックスではなく、財務指標、株価の変動率等により組入比率を一定のルールに基づいて定め、中長期の視点でより効率的に超過収益の獲得やリスクの低減を目指す運用手法です。

正規分布

正規分布とは、確率論や統計学で用いられるもので、平均値と最頻値・中央値が一致し、それを軸として左右対称となっている確率分布のことです。

金融工学においてはリスクとリターンについて正規分布に従うように分析することが一般的です。

【関連用語】

政策ベンチマーク

GPIFでは基本ポートフォリオ策定に用いるベンチマークを政策ベンチマークと呼んでいます。政策ベンチマークは以下の通りです。

  • 国内債券 NOMURA-BPI「除くABS」
  • 外国債券 FTSE 世界国債インデックス(除く日本、中国、円ベース)
  • 国内株式 TOPIX(配当込み)
  • 外国株式 MSCI ACWI (除く日本、円ベース、配当込み)
【関連用語】

成長株運用(グロース運用)

アクティブ運用手法の一つ。企業の高成長が期待でき株価が上昇すると予想される銘柄、すなわち成長株(グロース株)を選別して投資します。

企業の成長性を判断する主な指標には、1株当たり利益の伸び率やROE(株主資本利益率)等があります。

成長株運用は、これらの指標やその予測により高成長が期待できる銘柄に投資して、市場平均より高い収益率の実現を目指すものです。

【関連用語】

責任投資原則(PRI)

2006年に国連のアナン事務総長(当時)により提唱された6つの原則です。機関投資家に対し、投資プロセスにESGを組み入れることを求めています。GPIFは2015年にPRIに署名しました。

【関連用語】

相関係数

GPIFでは、性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、安定的な運用成果を目指しています。資産どうしの値動きの連動性を示す指標が「相関係数」です。相関係数は1からマイナス1の範囲で表されます。相関係数がプラスであれば、プラス1に近づくほど資産どうしの連動性が強くなり、資産価格が同じ方向に動きます。一方、相関関係がマイナスならば、資産価格は逆の方向に動きます。GPIFは現行の基本ポートフォリオ策定において、1994年から2018年の25年間における年次データを用いて相関係数の推計を行いました。

【関連用語】

総合収益額

総合収益額は、実現収益額に加え資産の時価評価による評価損益を加味することにより、時価に基づく収益把握を行ったものです。GPIFでは、収益額の把握に総合収益額を用いています。

 (計算式)総合収益額 = 売買損益 + 利息・配当金収入 + 未収収益増減(当期末未収収益 - 前期末未収収益)+ 評価損益増減(当期末評価損益 - 前期末評価損益)

【関連用語】

総合収益率

運用成果を測定する尺度の一つです。
総合収益率は、実現収益に、資産の時価評価による評価損益を加え、時価に基づく収益把握を行って算定されます。分母は簿価ベースの元本平均残高を用います。
(計算式)総合収益率 = { 売買損益 + 利息・配当金収入 + 未収収益増減(当期末未収収益 - 前期末未収収益)+ 評価損益増減(当期末評価損益 - 前期末評価損益)} /(投下元本平均残高 - 前期末未収収益 - 前期末評価損益)

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