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分散投資の意義② 投資のリスクとは

投資のリスクとは

リスクという言葉は日本語で「危険」「良くないことの起こる可能性」といった使われ方をしますが、資産運用の世界では「リターン(収益)の変動」、つまりリターンのブレの大きさを指すことが一般的です。株式や債券のリターンは、配当や利息によるインカムゲインと、価格変動に伴うキャピタルゲインで構成され、将来のリターンは確定していません。それぞれの資産のリターンが毎年どのように推移してきたかを見ることで、各年のリスクが分かります。下のグラフのブレ幅はそれぞれの資産のリスクを表しており、ブレ幅が大きいほどリスクが高いことを示しています。

diversification2_fig_f_202402.png※運用コストとして、シミュレーション期間全体について、各資産ごとの管理運用委託手数料(年率)を用いています。各資産ごとの管理運用委託手数料(年率)は以下の通りです。
国内株式:0.01%、国内債券0.01%、外国株式0.01%、外国債券:0.03%
※税金、及びリバランスに係る費用等の取引コストは考慮していません。利息・配当等は再投資したものとして計算しています。
※過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。

<出所>国内株式:Morningstar国内株式指数、外国株式(除く日本):Morningstar先進国株式指数(除く日本) (グロス、円ベース) 、国内債券:Morningstar国内債券指数、外国債券(除く日本):Morningstarグローバル国債指数(除く日本) (グロス、円ベース)
リターンは全て利子・配当込みグロス・リターン。外貨建て指数は、為替ヘッジなし、円換算。

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主な資産のリスク・リターン

運用の世界では一般的に、株式や債券など各資産のリスクを、リターンの「標準偏差」を使って表します。「標準偏差」とはリターンのブレの大きさを表す数値で、標準偏差が大きい(リスクが高い)ほど、リターンのブレ幅が大きいことを意味します。下のグラフはGPIFが2020年4月1日より適用した基本ポートフォリオを策定した際に使った「期待リターン(予想される収益率)」と「リスク(標準偏差)」の関係を、主な資産ごとに比較したものです。運用資産にはそれぞれ異なった特性があります。一般的に、リスクの小さな資産は得られる収益(リターン)が小さく、リスクの大きな資産は高いリターンが得られると言われています。これを「リスクとリターンのトレードオフ」と言います。

グラフ:各資産のリスク(標準偏差)と期待リターン

もう少し詳しく知りたい方へ:リターンの分布とリスク(標準偏差)の関係について

資産運用におけるリスク(標準偏差)とは、リターンの分布の広がりがどの程度の大きさかを表す指標であり、1年間のリターンがどれくらいブレそうかということを示そうとするものです。株式など有価証券のリターンの分布は、統計学で用いられる正規分布の形状に似ています(一方で、裾野の部分の確率が正規分布よりも高いことが知られています)。正規分布は左右対称の釣鐘型の形をしています。各資産のリターンが正規分布に従うなら、リターンは約3分の2の確率で中心から±1標準偏差に収まり、95%の確率で±2標準偏差に収まることが想定されます。

「日本株の期待リターンは5.6%、リスク(標準偏差)は約23%」*という数値を使って具体的に見てみましょう。
*GPIFが2020年4月1日より適用した基本ポートフォリオを策定した際に使った数値。期待リターンは賃金上昇率を加えた名目値。

リスクは通常、1標準偏差で表されます。「日本株の期待リターンは5.6%、リスク(標準偏差)は約23%」であれば、1年間のリターンは期待リターン5.6%を中心にして、上下23%の間で変動する確率が約3分の2(約68%)であることを意味します。言い換えれば、1年間のリターンがプラス5.6%からプラス28.6%の範囲に収まる確率が約3分の1、プラス5.6%からマイナス17.4%の範囲に収まる確率が約3分の1であると想定しています。逆に言うと、毎年のリターンがマイナス17.4%より大きく下がる確率は約16%、プラス28.6%より大きく上がる確率も約16%となります。

グラフ:日本株の値動きのイメージ

注)GPIFでは、基本ポートフォリオの策定において、株式等が想定よりも下振れ確率が大きい場合(いわゆる「テールリスク」)もあることを考慮しています。

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