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基本ポートフォリオの考え方

長期的な観点からの基本ポートフォリオ策定

長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していくほうが、効率的で良い結果をもたらすことが知られています。このため、公的年金運用では、各資産の期待収益率やリスクなどを考慮したうえで、積立金の基本となる資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定めています。

第4期中期目標期間(2020年4月1日からの5カ年)における基本ポートフォリオ

厚生労働大臣から示された第4期中期目標では、積立金の運用目標について、「長期的に年金積立金の実質的な運用利回り(運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.7%を最低限のリスクで確保することを目標とし、この運用利回りを確保するよう、基本ポートフォリオを定め、これに基づき管理を行うこと」とされました。

GPIFは、厚生労働省が実施する財政検証の結果や厚労大臣から与えられた中期目標、並びに近年の経済情勢を踏まえて基本ポートフォリオを策定しました。

経済情勢については、世界経済は安定的な成長を遂げているものの、先進各国の政策金利は、世界金融危機以降、歴史的な低水準で推移しており、特に国内においてはその傾向が顕著になっている状況等を踏まえました。

年金財政上必要な利回りを満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオを選定した結果、以下のような基本ポートフォリオとしました。

国内債券 外国債券 国内株式 外国株式
資産構成割合 25% 25% 25% 25%
乖離許容幅 各資産 ±7% ±6% ±8% ±7%
債券・株式 ±11% ±11%

※乖離許容幅については、従来の4資産の幅に加え、株式リスクの管理強化の観点から、債券全体・株式全体についても乖離許容幅を設定しました。株式の保有上限は、各資産の乖離許容幅のみを踏まえれば、実質的に内外債券の合算である50%+13%となるところ、株式自体の乖離許容幅によって、50%+11%に制限されることになります。

変更前の基本ポートフォリオと比べると、国内の金利低下によって国内債券の利回りが低下している状況等に伴い、国内債券の割合が低下した一方、相対的に金利が高い外国債券の割合が増加しました。

新たな基本ポートフォリオは、中期計画の一部としてGPIFの経営委員会で議決し、厚労省の社会保障審議会資金運用部会における諮問・答申を経て厚労大臣が認可したもので、2020年4月1日から適用されます。

なお、基本ポートフォリオについては、マクロ経済や市場等の動向を注視しつつ、策定時に想定した運用環境から乖離がないか、適時適切に検証を行い、必要に応じて見直しの検討を行うこととしています。

第4期中期目標期間における基本ポートフォリオの公表資料は以下よりお読みいただけます。

過去の基本ポートフォリオ

第1期中期目標期間(2006~2009年度)

第1期中期目標では、「年金財政は、実質的な運用利回り(賃金上昇率を上回る運用利回り)が確保される限り基本的には影響を受けないことから、年金財政上の諸前提における実質的な運用利回りを確保するよう、長期的に維持すべき資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定め、これに基づき管理を行うこと」とされました。

第1期中期計画においては、年金財政との整合性や長期的な積立金の下方リスクを最小化することに留意にした上で、リスク水準を国内債券による市場運用のリスクと同程度に抑えつつ実質的な運用利回り1.1%(名目運用利回り3.2%)が確保されるよう、以下の基本ポートフォリオを策定しました。

第1期中期計画における基本ポートフォリオ
国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 短期資産
資産構成割合 67% 11% 8% 9% 5%
乖離許容幅 ±8% ±6% ±5% ±5% -

第2期中期目標期間(2010~2014年度)

①2010年4月~2013年6月

第2期中期目標期間については、年金制度の抜本的な見直しを予定していることなどから暫定的な運用目標が示されたため、第1期の基本ポートフォリオを検証・確認の上、同じものを第2期中期計画における基本ポートフォリオとして定めました。

②2013年6月~2014年10月

2012年10月の会計検査院による指摘を踏まえ、暫定的に設定された基本ポートフォリオについて運用委員会において直近のデータ等を用いて検証しました。その結果に基づき、2013年6月、新たな基本ポートフォリオを以下のように定めました。

国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 短期資産
資産構成割合 60% 12% 11% 12% 5%
乖離許容幅 ±8% ±6% ±5% ±5% -

③2014年10月~2015年3月

2014年6月、五年に一度実施される公的年金の財政検証の結果が公表され、併せて、厚労大臣から基本ポートフォリオの見直しを前倒しで行うよう要請があったことから、当時の運用委員会において新たな財政検証を踏まえた検討を行いました。その結果、デフレ脱却など、長期的に経済・運用環境が変化し、物価・賃金の上昇が想定される中で、従来の国内債券中心のポートフォリオでは、年金財政上必要な運用利回り(実質的な運用利回り1.7%)を達成することは困難と判断しました。

名目賃金上昇率から下振れリスクが全額国内債券運用の場合を超えないこと、株式等は想定よりも下振れ確率が大きい場合があることも十分に考慮し、予定された積立金額を下回る可能性の大きさを適切に評価するとともに、リスクシナリオ等による検証について、より踏み込んだ複数のシナリオで実施した上で、厚労大臣から与えられた運用目標(実質的な運用利回り1.7%)が確保されるよう、2014年10 月31日に以下の基本ポートフォリオに変更しました。

国内債券 国内株式 外国債券 外国株式
資産構成割合 35% 25% 15% 25%
乖離許容幅 ±10% ±9% ±4% ±8%

当該基本ポートフォリオ公表時の資料は以下よりお読みいただけます。

【参考資料】年金積立金管理運用独立行政法人の中期計画(基本ポートフォリオ)の変更(2014年10月31日)[PDF:249KB]

第3期中期目標期間(2015~2019年度)

2014年10月に変更した基本ポートフォリオは、第3期中期目標期間において、定期的な検証を行ったうえで、引き続き同じものを用いました。