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分散投資の意義③卵を一つのかごに盛るな

卵を一つのかごに盛るな

資産運用には「卵を一つのかごに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」ということわざがあります。性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、安定的な運用成果を目指しています。

卵を一つのかごに盛るな

身近な例で「分散投資効果」を見ると...

値動きが異なる資産を組み合わせて投資すると、リターンは各資産の平均になる一方で、リスク(リターンのブレ)は平均より小さくすることができます。リターンが同じであれば、リスクを小さく抑えたほうが、安定した運用成果が得られます。この「分散投資効果」を、身近な例を使って見てみましょう。

アイスクリームを作っている食品会社と、おでんの具を作っている食品会社の株式に投資するとしましょう。アイスクリームは暑い年に売れるので、暑い年にはアイスクリーム会社の株価も上昇しますが、寒い年には売れ行きが鈍って株価が下落すると仮定します。逆に、おでんの具を作る会社の株式は寒い年に上昇し、暑い年に下落するとします。アイスクリームとおでんの会社の株式を半分ずつ持てば、どちらか一方だけに投資する場合に比べ、リターンが安定しやすくなります。

アイスクリーム会社とおでん会社の株式

一方、おでんの会社に代えて、扇風機を作っている会社の株式に投資し、アイスクリームの会社の株式と半分ずつ保有するとしましょう。扇風機は暑い年に売れ、寒い年に売れ行きが鈍るので、扇風機メーカーの株価も暑い年に上昇し、寒い年に下落するとします。アイスクリーム会社と扇風機メーカーの株価は似たような動きを示し、両社の株式を一緒に保有した場合のリターンの変動は、アイスクリーム会社とおでんの会社の株式の組み合わせと比べると、ブレやすくなります。

アイスクリーム会社と扇風機メーカーの株式

もう少し詳しく知りたい方へ:相関係数とは

異なる値動きをする複数の資産に投資をする「分散投資」は、お互いの価格の動きが打ち消しあうことによって、安定的な運用成果を目指しています。資産どうしの値動きの連動性を示す指標が「相関係数」です。相関係数は1からマイナス1の範囲で表されます。相関係数がプラスであれば、プラス1に近づくほど資産どうしの連動性が強くなり、資産価格が同じ方向に動きます。一方、相関関係がマイナスならば、さきほどのアイスクリーム会社とおでん会社の株価のように、逆の方向に動きます。マイナス1は、全く逆の動きをするという意味です。相関係数が低い資産を組み合わせると、価格変動リスクを効率的に減らすことが期待できます。

一般的に、債券と株式は相関関係が低いとされています。下の表は、GPIFが2020年4月1日より適用した基本ポートフォリオを策定した際に使った相関係数です。

GPIFは国内外の1万銘柄以上の債券と、約5000社の株式に分散投資することで、長期的に見て効率的で安定した運用を目指しています。

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