『2025年度 サステナビリティ投資報告』を刊行しました
2026年8月31日
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は環境・社会・ガバナンス(ESG)などのサステナビリティ投資に関する取組みとその効果を被保険者の皆様にご報告するため、『2025年度 サステナビリティ投資報告』を刊行しました。
『2025年度 サステナビリティ投資報告』では、2025年3月に策定したサステナビリティ投資方針を踏まえて章立てを見直しました。具体的には、これまでのESG指数投資をメイン戦略とした構成から、多様な取組みを通じて、「サステナビリティに関するリスクの低減や市場の持続可能性の向上」と「市場平均収益率の確保」の両立を図ることにより、ポートフォリオ全体の長期的なパフォーマンス向上に努めていることをより明確にしました。
ESG投資の再構築や令和7年度計画に掲げた「インパクトを考慮した投資の検討」の第一段階として実施した「インパクト投資に関する調査研究」の概要、運用会社との対話等のスチュワードシップ活動など、2025年度におけるサステナビリティ投資の取組みをご紹介しています。
また、サステナビリティに関するリスク分析については、今後のサステナビリティ投資のPDCAサイクルに活用する観点から、これまで外部に委託していたClimate VaR分析や気温上昇ポテンシャル分析の内製化にも新たに取り組みました。
<『2025年度 サステナビリティ投資報告』の主なコンテンツ>
【第一章】GPIFのサステナビリティ投資とは
- 理事長インタビュー
- GPIFのサステナビリティ投資とは
- GPIFのサステナビリティ投資に関する取組みの沿革
- サステナビリティ投資に関するガバナンス及び組織・体制
- GPIF組織内部のサステナビリティに関する取組み
【第二章】ESGやインパクトを考慮した投資
- ESG投資の再構築
- ESG指数ファンドのパフォーマンス
- ESG指数投資の効果検証
- 株式・債券の委託運用におけるサステナビリティ
- オルタナティブ投資におけるサステナビリティ
- インパクト投資に関する調査研究
【第三章】スチュワードシップ活動
- 運用会社との対話
- 運用会社のエンゲージメントに対する企業の評価
- 指数会社やESG評価会社との対話
【第四章】サステナビリティに関するリスク分析
- ポートフォリオのESG評価・ESG評価の国別ランキング・ESG評価間の相関
- ポートフォリオの温室効果ガス排出量等の分析
- 財務インパクト ~Climate VaR分析(株式)~
- 環境・気候へのインパクト ~気温上昇ポテンシャル分析~
【第五章】サステナビリティに関する情報発信/関係団体等との対話・協働
- GPIFの情報発信
- GPIF の株式運用会社が選ぶ「優れたサステナビリティ開示」
- 企業から見た投資家のサステナビリティ情報開示の関心と活用
- 企業向けアンケート10周年
- 関係団体等との対話・協働
【終わりに】
- CIOメッセージ
※事前に掲載を予定していましたTNFD分析(自然関連財務情報開示タスクフォースの提言を踏まえた分析)については、サステナビリティ投資報告とは別に取り組むことを検討しています。
<内田理事長コメント>
GPIFは、現役世代のみならず、将来世代のために、年金財政の安定化の一端を担う「世代をまたぐ投資家」であり、世界の資本市場全体に幅広く分散して投資する「ユニバーサル・オーナー」です。被保険者の利益のために、長期に亘り安定した投資リターンを獲得するには、資本市場全体及び経済全体が持続的・安定的に成長することが重要であると考えています。その観点から、サステナビリティに関するリスクを低減し、市場全体の持続可能性を高めることは、GPIFの責務です。昨年、GPIFはESG投資を、より広範な概念であるサステナビリティ投資へと進化させる形で、サステナビリティ投資方針を策定しました。
2025年度は、GPIFとしてサステナビリティ投資の目的や考え方を明確に整理し、具体的な取組みとともに、それまでのESG投資を進化させる一歩を踏み出すことができた、重要な1年であったと考えています。
サステナビリティ投資を推進する上で、GPIFが重視しているのは、インベストメントチェーンの好循環の促進です。運用会社から投資先企業、指数会社に至るまでのシステム全体、すなわちインベストメントチェーン全体に働きかけることで、投資先企業及び市場全体の持続的な成長に貢献し、アセットオーナーとしての責任を果たしていくことです。
本報告書を通じて、GPIFのサステナビリティ投資の考え方や取組み、その効果を包括的に発信することによって、被保険者の皆様に対するサステナビリティ投資についての説明責任を果たすとともに、インベストメントチェーンの好循環にもつなげられればと考えております。
そのため、アセットオーナーや運用会社、指数会社の皆様のみならず、企業の皆様にも参考にしていただけるテーマを多く取り上げています。サステナビリティ情報の開示やエンゲージメントの現場で、少しでもお役立ていただけましたら幸いです。


