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2022/23年 スチュワードシップ活動報告

2023年3月30日

GPIFは、「2022/23年 スチュワードシップ活動報告」を以下の通り公表いたしました。

GPIFは、長期的な投資収益の拡大を図る観点から、投資先及び市場全体の長期志向と持続的成長を促す様々な活動を進め、スチュワードシップ責任を果たしていきます。

本活動報告では、スチュワードシップ責任を果たすための方針に記載の通り、第1章で「GPIFの取組」について、第2章で「運用受託機関の取組と課題」についてご報告します。第3章では、前2章を踏まえ、「運用受託機関への期待と課題・GPIFの今後の対応」をまとめています。

「スチュワードシップ活動報告」概要

<GPIFの取組>
GPIFの取組における、この一年間の新たな取組のうち、主なものは以下の通りです。

  • 債券のスチュワードシップ活動の評価開始
  • スチュワードシップ活動及びESG投資の効果測定プロジェクトの始動
  • YouTubeでの情報発信

<GPIFの運用受託機関のスチュワードシップ活動の状況>
(1)国内株式運用受託機関による日本株のエンゲージメント状況

2022年1月~12月の一年間で、国内株式運用受託機関は、2022年3月末時点で保有している国内企業数2,347社の40%にあたる946社と対話を行っています。時価総額ベースでは94%に相当します。また、対話件数は6千件を超えており、その8割がパッシブ機関(*)による対話です。
(*)パッシブとアクティブ両方受託している場合はGPIFの委託の多いマンデートでカウント。


(2)エンゲージメント強化型パッシブ4社のエンゲージメント進捗状況

スチュワードシップを重視したパッシブ運用である「エンゲージメント強化型パッシブ」ファンドとして、2018年に採用したアセットマネジメントOne、フィデリティ投信の2ファンドに加え、2021年秋に、三井住友トラスト・アセットマネジメント及びりそなアセットマネジメントの2社を追加採用しました。いずれも、エンゲージメントは順調に進んでおり、そのステージも課題着手、計画策定、施策実行や情報開示の改善など企業の具体的なアクションの段階に進んできています。


(3)重大なESG課題

GPIFは、スチュワードシップ活動原則で、重大なESG課題について積極的なエンゲージメントを求めています。内外株式パッシブ運用機関においては、全運用受託機関が、「気候変動」、「ダイバーシティ」、「人権と地域社会」、「情報開示」を重大な課題として挙げています。また、外国株式パッシブでは上記内外株式パッシブ運用機関全社が共通して挙げた4つの課題に加えて、「生物多様性」、「森林伐採」、「健康と安全」も新たに全社が重大な課題としています。一方、アクティブ運用機関は、国内株式と外国株式で認識している重大なESG課題が分かれています。国内株式では、昨年も全社が挙げていた「取締役会構成・評価」、「少数株主保護(政策保有等)」、「情報開示」に加え、「気候変動」と「資本効率」を全機関が挙げています。

<GPIFの今後の対応>
GPIFは以下の取組を今後進めていきます。特に、2023年~24年度にかけては、スチュワードシップ活動・ESG投資の効果測定にあたり外部との共同研究を予定しています。

  • 双方向のコミュニケーションを重視した運用受託機関や指数会社との「エンゲージメントの強化」
  • スチュワードシップを重視したパッシブ運用モデルの定着
  • 債券投資におけるスチュワードシップ責任の評価手法の検討
  • ESGを含むエンゲージメントの成果や効果測定に関する外部との共同研究

以上

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