よくあるご質問
- Q7海外の公的年金の運用状況はどのようになっていますか。
公的年金の制度は主要各国にありますが、日本のように大きな積立金を有し、また、それを金融・資本市場で運用しているのはカナダなどの諸国です。この他、米国の州政府が自らの職員等のための年金制度を有し、一部の州の年金制度の運用金額が非常に大きいものとなっている事例もあります。
このような海外の公的年金(以下「各国公的年金」という。)は、年金積立金管理運用独立行政法人(以下「当法人」という。)同様、運用目標に照らし、分散投資を行うという基本的な考え方のもと、ポリシーアセットミックス(政策的に決定される基本的な資産配分比率)を策定し、それに基づいた運用を行っています。
各国公的年金の運用実績にはそれぞれ差がありますが、それはいくつかの要因によるものです。
- 各国の金利・為替水準や株式市況は違いがあります。例えば、日本は現在物価が極めて低く、また、金利も低水準にありますが、日本以外の国ではこれより高い水準となっています。
- また、株式等のリスク性資産の保有比率も影響しています。各国の公的年金はそれぞれ国により運用目標が異なっており、その目標の違いにより株式等の保有比率が違っています。
各国公的年金と当法人との比較
基本(参照)ポートフォリオ(2020年3月末)
資産規模(2020年3月末)
(単位:兆円)
CalPERS(アメリカ)(カリフォルニア州職員退職年金基金) | 38 |
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CPPIB(カナダ)(カナダ年金制度投資委員会) | 31 |
GPF-G(ノルウェー)(ノルウェー政府年金基金-グローバル) | 125 |
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) | 151 |
※GPF-G(ノルウェー)は2019年12月末
運用実績の推移(2004年~2019年度)
2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | 2011年度 | 2012年度 | |
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CalPERS | 9.6% | 16.3% | 13.2% | 2.9% | -29.1% | 25.2% | 13.1% | 3.7% | 10.9% |
CPPIB | 8.5% | 15.5% | 12.9% | -0.3% | -18.6% | 14.9% | 11.9% | 6.6% | 10.1% |
GPF-G | 1.0% | 11.5% | 5.6% | -11.4% | -9.5% | 25.5% | 4.9% | 2.8% | 11.0% |
GPIF | 3.4% | 9.9% | 3.7% | -4.6% | -7.6% | 7.9% | -0.3% | 2.3% | 10.2% |
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
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CalPERS | 13.7% | 6.1% | -0.2% | 10.1% | 11.1% | 3.4% | -0.4% |
CPPIB | 16.5% | 18.7% | 3.7% | 12.2% | 11.6% | 8.9% | 3.1% |
GPF-G | 16.6% | 34.5% | 0.8% | 12.7% | 3.9% | 9.4% | 12.5% |
GPIF | 8.6% | 12.3% | -3.8% | 5.9% | 6.9% | 1.5% | -5.2% |
※CalPERS、CPPIB、GPF-Gの数値は、各基金のホームページの数値です。
※1US$=107.96円、1CAD$=75.85円、1NOK=12.37円で計算しています。(US$、CAD$は2020年3月末、NOKは2019年12月末)
※GPIFの運用実績は、市場運用(時価ベース)および財投債(薄価ベース)を投下元本平均残高等で加重平均して、運用資産全体の収益率を算出したものです。