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【4】投資先及び市場全体の持続的成長が、運用資産の長期的な投資収益の拡大に必要であるとの考え方を踏まえ、被保険者の利益のために長期的な収益を確保する観点から、財務的な要素に加えて、非財務的要素であるESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した投資を推進する。

  • ○ GPIFは、環境・社会問題などの負の影響を減らし、運用資産全体の長期的なリターンを向上させるため、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した投資を推進しています。ESGへの取組を積極化しているのは、GPIFが持つ「ユニバーサル・オーナー」と「超長期投資家」という特徴に理由があります。「ユニバーサル・オーナー」という言葉は、年金運用やESG投資などの世界で使われることがありますが、その意味するところは、資本市場を幅広くカバーする投資家ということです。GPIFは、国内上場企業の大多数、主要な海外企業の株式や債券を幅広く保有しており、典型的な「ユニバーサル・オーナー」といえます。
  • ○ 例えば、保有する一部の企業が一時的な収益拡大のために、環境や社会への大きな負荷を省みない事業活動を行った結果、その企業の株価が上昇したとしても、他の企業を含めた経済全般や社会がそれらの負の影響を受けるのであれば、「ユニバーサル・オーナー」のポートフォリオ全体としても大きなダメージとなります。言い換えると、資本市場や社会が持続可能であることは、「ユニバーサル・オーナー」のポートフォリオが持続可能であるための必要条件ということです。
  • ○ このような負の外部性を管理し、抑制するために積極的に活動するという「ユニバーサル・オーナーシップ」という考え方は、GPIFのESG投資の根幹にあるものです。また、ESGに関するリスクは、長期であればあるほど顕在化する可能性が高く、100年先を見据えた年金財政を担う「超長期投資家」であるGPIFにとって、ESGを考慮することのメリットは大きいと考えています。つまり、ESGに関する取組は、年金積立金の運用を「専ら被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」という法律の趣旨にかなうものです。
  • ○ なお、GPIFでは、被保険者の中長期的な投資収益の拡大のために、株式だけでなく債券やオルタナティブなど他の資産においてもESGを考慮した取組を進めています。

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