2. 年金積立金運用に対する年金制度からの要請

要約

  • 年金積立金運用については、法律上、「長期的な観点からの安全かつ効率的な運用」ということが要請されています。
  • 年金制度からの要請に応える年金積立金運用の最も基本的な考え方が、
    • ア.特性の異なる複数の資産に分散して投資を行うという「分散投資」
    • イ.長期的な観点から基本となる資産構成割合を決めて、これを維持するという「基本ポートフォリオの策定・管理」

の二つです。

(1)法律上の要請

公的年金積立金運用に関する主な法律としては、「厚生年金保険法」(以下「厚年法」という。)、「国民年金法」(以下「国年法」という。)、「年金積立金管理運用独立行政法人法」(以下「管理運用法人法」という。)の3本があります。

これらの法律で、積立金運用についてどのようなことが決められているのかを見ると、「積立金の運用は、専ら被保険者のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行う」(厚年法及び国年法)、「運用は、安全かつ効率的に行わなければならない」(管理運用法人法)ということが定められており、「長期的な観点からの安全かつ効率的な運用」ということが、年金積立金運用に対する法律上の最も基本的な要請となっています。

また、年金積立金管理運用独立行政法人(以下「当法人」という。)の一定期間内における業務運営の目標は、他の独立行政法人と同様、主務大臣が定めることとされていますが(独立行政法人通則法)、厚生労働大臣により定められた「当法人が達成すべき業務運営に関する目標」(以下「中期目標」という。)においては、「財政の現況及び見通しを踏まえ、保険給付に必要な流動性を確保しつつ、長期的に積立金の実質的な運用利回り(積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものをいう。)1.7%を最低限のリスクで確保すること」が要請されています。

これを受けて、中期計画において「分散投資を基本として長期的な観点からの資産構成割合(基本ポートフォリオ)」を定め、これに基づき管理・運用を行っています。

(2)年金制度からの要請に応える年金積立金運用のあり方

上記(1)のとおり、年金積立金運用に対しては、法律上、「長期的な観点からの安全かつ効率的な運用」という基本的な考え方が要請されています。

このような年金制度からの要請に応える年金積立金運用のあり方ですが、まず、「長期的な観点からの安全かつ効率的な運用」という基本的な考え方については、安全性と効率性の両面を考慮することが求められます。仮に、安全性のみを重視し、現金のまま保有するとすれば、名目額で積立額が減る心配はありませんが、長期的には、物価や賃金が上昇する分、実質的な価値が目減りしてしまうことは避けられないので、効率的な運用という要請に応えることにはなりません。

長期的に、実質的な価値を維持し、さらに実質的な価値を増大させていくためには、収益率の変動幅という意味での一定のリスクをとりつつ、リスクに見合った収益率が期待できる資産に投資を行っていくことが求められます。

この場合、「できる限り低いリスクで必要な収益を得る」ための最も基本的な考え方が、特性の異なる複数の資産に分散して投資を行うという「分散投資」と、長期的な観点から基本となる資産構成割合を決めて、これを維持していくという「基本ポートフォリオの策定・管理」という二つです。以下、これら二つの点について、少し詳しくご説明します。

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